ホテルや宿泊所において、視覚障害者に対して適切な情報提供ができると、目の不自由な宿泊客にとって大変快適な旅となります。

このページでは、宿泊施設における視覚障害者への情報提供を円滑に行なうための機器を紹介します。

宿泊施設で困ること

視覚障害者が一人で宿泊するとき、いくつかの悩みがあります。

施設内移動

一つは、宿泊施設の中の移動です。

これについては、以下のページに安価で大変便利なものが紹介されていますので、そちらを参考にしてください。

ラジオで福祉街づくりの具体的なご提案

部屋の中の様子把握

もう1点は、宿泊部屋の中の様子が判らないことです。

ホテルや宿泊所の職員が部屋の中まで同行して、具体的に手で触れさせて何がどこにあるのかを把握してもらうのがベストです。

細かいところまで目を向けると、浴室にあるシャンプー・リンス・ボディーシャンプーの区別がわかりません。

これは、本人も実際に入浴したときにはじめて手で触っても区別がつかないことに気がつくものです。

本来なら、最初に入室するときにここまで説明するのがベストですが、ベテランのホテルマンでもなかなかここまでは気が回らないものです。

ですから、これらのことも含めて、宿泊室の中の様子を点字や録音で説明した資料を作成しておくことをお勧めします。

あるいは、音声読書機を宿泊所で1台確保しておき、視覚障害の利用者が宿泊するときに貸し出すというのもひとつの方法です。

点字資料の効率的な作成方法に関しては、以下のページを参考にしてください。

最新点訳ノウハウ紹介

また、音声読書機で正しく読める印刷物を作成するためのノウハウについては、下記のサイトを参考にしてください。

プリントアクセシビリティ紹介サイト

費用内訳の確認

チェックアウトするとき、宿泊費用の明細の入った領収証を頂きます。

しかし、これは、視覚障害者は自分で確認することができません。

利用者の希望に応じて、点字での利用明細書を打ち出せることが望まれます。

点訳にかかる時間とコスト

資料を点字に直すことを「点訳」と言います。

点訳は、専門的な知識を持った人が時間をかけてこつこつとおこなわなければならないというのが従来の常識でした。

しかし、現在は、点字プリンタを含む適切な設備を整えれば、かなりの部分を自動化でき、あなたのイメージをくつがえすほど簡単に、素早く点字の資料が作成できます。

特に、宿泊施設での利用明細書を打ち出すことなどは、きわめて簡単です。

点訳に対する労力の掛け方と点訳の質の関係については、下記のページでわかりやすく説明されています。

最新点訳ノウハウ紹介

点訳コピーシステムの利用方法

ここでは、宿泊施設でもっともお勧めの点訳コピーシステムを紹介します。

利用明細の打ち出し

点訳コピーシステムでは、キーボードから入力した内容を即座に点字で打ち出すことができます。

キーボードからの入力は、文章の部分は普通の漢字かな混じり文、数字の部分は普通に半角の数字で入力するだけでOKです。

利用明細書の内容がさほど多くないときには、この方法ですぐに点字の利用明細書を作ることができます。

もしも利用明細の内容をテキストファイルで取り出すことができるのならば、取り出したテキストファイルを点訳コピーシステムのパソコンに転送できる仕組みを構築すれば、さらに簡単に点字利用明細書を打ち出すことができるでしょう。

レストランのメニューや室内案内の打ち出し

レストランのメニューや室内案内は、あまり変わるものではありませんから、あらかじめ点字印刷業者に発注して、それなりの部数を確保しておくこともできます。

しかし、視覚障害の利用客が今後どのぐらい訪れるのかが判りませんし、時間が経過すれば、やはりメニューや室内の様子が変わり、また新たな点字印刷物を作らなければなりません。

そのように考えると、必要なときにだけデータから点字印刷が簡単に行える点訳コピーシステムは実に便利です。

あらかじめ点字で打ち出したいデータを点訳コピーシステムの中に準備しておき、点字で打ち出したいものを選択して点字印刷を行うだけです。

なお、あらかじめ点字にしたいデータを準備しておく方法については、最新点訳ノウハウ紹介の「編集点訳」及び「校正点訳」の項を参考にしてください。

宿泊所の職員がすぐにでも行なえる方法としては、「編集点訳」をお勧めします。

株式会社アメディアでは、編集点訳のコツを1日で担当職員に教える講師派遣サービスを行なっています。

点訳コピー

とりあえず、1枚ものの印刷物をすぐに点字にしたいときには、スキャナのガラス面に印刷物をセットして、F1キーを2回押すだけで、その内容が点字で打ち出されます。

書かれている内容の長さにもよりますが、おおよそ2・3分で点字印刷が完了します。

とりあえずお知らせしたいことが書かれた印刷物があるときには、この方法ですぐに点字に打ち出して視覚障害のお客様に手渡すことができます。

点字が得意でない方への対応のために

視覚障害者の中には、点字があまり得意でない方もいらっしゃいます。

そのような方には、音声での情報提供が有効です。

録音資料の提供

室内案内やレストランのメニューなど、普段あまり変更のない情報に関しては、あらかじめ録音しておき、再生機とともにその録音資料をお貸しするというのがお勧めの方法です。

録音・再生でお勧めの機器は、「デイジー」という検索性の高いデジタル録音のできるプレクストークポータブルレコーダーという機器です。

印刷物を音声で読み上げる読書機

印刷物を音声で読み上げるよむべえという読書機があります。

この読書機は、非常に簡単な操作で印刷物を読み上げることができ、パソコン用の液晶ガメンやテレビを接続すれば、印刷物の内容を拡大表示することもできます。

このような機器をホテルや宿泊所で1台確保しておき、視覚障害の利用者が訪れたときにそれを貸し出すということを行なえば、実に魅力的なサービスとなります。


なお、公的機関の運営する宿泊所での視覚障害者用情報支援機器の整備は、平成18年度障害者自立対策臨時特例交付金

視覚障害者等緊急基盤整備事業の対象になると考えられます。

各施設における視覚障害者用情報支援機器の活用提案

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